プロ翻訳者のツール利用状況レポート
プロ翻訳者が翻訳作業に使用するソフトウェア利用率ランキング
(データソース:翻訳者ディレクトリ 調査方法:プログラムによる自動集計方式)
調査対象5024人 調査日時2024年10月09日03時05分 | ||||
1位 | Word(Office) | 3133人 | 62.3% | Office |
2位 | PowerPoint | 1009人 | 20% | Office |
3位 | TRADOS | 871人 | 17.3% | CAT |
4位 | Phrase | 309人 | 6.1% | CAT ※旧Memsource |
5位 | PhotoShop | 228人 | 4.5% | Creative |
6位 | MemoQ | 206人 | 4.1% | CAT |
7位 | SST G1 | 106人 | 2.1% | Subtitle |
8位 | WordFast | 101人 | 2% | TM |
9位 | SDLX | 55人 | 1% | TM |
10位 | PageMaker | 49人 | 0.9% | DTP |
11位 | OmegaT | 48人 | 0.9% | TM ※オープンソース |
12位 | XTM | 46人 | 0.9% | Cloud TMS |
13位 | FrameMaker | 43人 | 0.8% | DTP |
14位 | XBench | 37人 | 0.7% | QA |
15位 | Idiom WorldServer | 36人 | 0.7% | TM+GMS |
16位 | Transit | 35人 | 0.6% | TM |
17位 | Passolo | 33人 | 0.6% | ― |
18位 | Translation Workspace | 32人 | 0.6% | TM |
19位 | 秀丸エディタ | 30人 | 0.5% | Editor |
20位 | Catalyst | 21人 | 0.4% | ― |
21位 | TraTool | 14人 | 0.2% | TM |
22位 | IBM TM/2 | 14人 | 0.2% | TM |
23位 | ATLAS | 11人 | 0.2% | MT+TM |
24位 | MED-Transer | 7人 | 0.1% | MT+TM |
25位 | PC-Transer | 6人 | 0.1% | MT+TM |
26位 | Dejavu | 5人 | 0% | TM |
解説
翻訳業界への機械翻訳導入が進むにつれて、プロ翻訳者の業務に占めるMTPEの割合が増加しています。
それでも、翻訳者の中には、機械翻訳の後編集作業を好まない人や拒絶する人が依然として存在します。その理由には「翻訳の仕事をする喜びが感じられない」「機械出力の後編集に苦痛を覚える」「仕事として魅力がない」などがあげられます。
噂レベルの話ですが、悪質な翻訳ブローカーがコストを下げるために数世代前の古い翻訳エンジンを使って低品質の訳文を生成し、その後始末を翻訳者に押し付けているのではないかと疑いを持つ翻訳者もいるそうです。
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完成度の高い訳文を追求する翻訳のプロには好まれない機械翻訳ですが、市販の翻訳ソフト(MT)でも、「大意を把握する」「用語の辞書引きを自動化する」といった用途には、一定の効果が期待できます。一般の方が翻訳ソフトを購入するときは、人気があってよく売れている製品を選択するというのも、ひとつの方法です。ベストセラーPCソフト
翻訳ソフトを購入して、ただちに良好な翻訳結果を得られるということは、まずありません。自分がよく利用する題材や専門分野に合わせて、ユーザー辞書を整備するなど、翻訳ソフトの環境を最適化していく手続きが必要です。つまり、期待どおりの結果を得るためには、ある程度の使いこなしや熟練が必要になります。特定の専門分野で翻訳ソフトを使用する場合は、オプションで専門分野別辞書が用意されているかどうかを選択の基準にすることもできるでしょう。
また、特定の専門分野に特化した翻訳ソフトも発売されています。あらかじめ用途や目的がはっきりしている場合は、専門分野に最適化されたソフトを選択すれば、別途、専門分野辞書を購入する必要がなく、ユーザー辞書をゼロから構築していく手間を省けます。
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組織内で長期にわたり複数の担当者が翻訳ソフトを利用するという使い方をする場合は、UTX(Universal Terminology eXchange)または UPF (Universal PlatForm)といったユーザー辞書の標準仕様に対応している翻訳ソフトを選択すると良いでしょう。将来、技術の進歩に合わせて翻訳ソフトを買い替えることになった場合でも、それまで蓄積したユーザー辞書の資産を無駄にすることなく、引き続き利用して発展させていくことができます。
自動翻訳(=機械翻訳 MT)は、インド・ヨーロッパ語族ロマンス語系諸言語(フランス語、スペイン語、イタリア語)間は、比較的精度が高く、英語とロマンス語系言語・ゲルマン語系言語については、PE(後編集)が不要で実用レベルだと言われています。
文法構造に類似の多い日本語と韓国語間でも、比較的良好な結果が得られます。中国語と日本語は言語学的には別系統の言語ですが、歴史的経緯で千年以上にわたり中国文化を吸収し続けて成立したのが現代日本語であるため、中国語から日本語への機械翻訳でも実用上問題のないレベルの訳文が得られます。
欧州・アジアを問わず、英語が国際ビジネスの標準語であるため、日本国内では、英語と日本語間の翻訳需要が大半ですが、中国市場でのビジネスチャンス拡大を反映して、中国語翻訳ソフトも数多くの製品が市販されています。
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