洋書読み検定、現在四段 | 翻訳なんて...

洋書読み検定、現在四段

大学入学後も英語の勉強を続けた最大の理由。それは「通学・通勤中に英語の新聞や雑誌を読んでたらカッコイイ、絶対モテる」という極めて浅はかなものだった。

 

中断期間がなかったので文法をおさらいする必要はなく、とにかく読んで経験を積み、同時に語彙力を上げていくだけ。3年からはNewsweekの定期購読を始めた。そして今や洋書読み検定4段を保持するに至っている。

この検定は読解力や読書量を問うものではない。問題となるのは「人前での洋書の読み様(ざま)」。ただし、そこには読解力や読書量も含めたすべての実力と実績が反映される。



辞書なしでも大体読めるようになり人前デビューを果たしたら、その時点で3級。最初は図書館の隅っこなど人気のないところで読み出す。

そして電車内のような人目にさらされる場所で読み始めたら2級。ただし人目を意識しすぎて内容は1割しか入って来ない。

「どうなの?洋書読んでる自分?」とアピールし出すのが1級。満員電車でも片手で高めに本をかざし、もう片手はメガネに添える。やはり内容はあまり入って来ない。

そんな自分が恥ずかしくなり、一転してコソコソ読むようになるのが初段。洋書だとバレないようにコンパクトに曲げたり両手で覆うようにして読む。店でも店員さんが来ると隠す。

いや待て、どいつもこいつもバカみたいに携帯いじってる中で洋書を読んでて何が悪い?と開き直るのが二段。ドトールでこれ見よがしに洋書を並べてむさぼり読む。内容も8割方は入る。

周囲を見下すのはやめるも、相変わらず鼻息は荒いのが三段。内容はほとんど入るが、まだ表情が硬く眉間にシワが寄りがち。

もはや洋書を読むことはアピールのうちに入らない。それがありのままの自分。そうよレリゴー、少しも寒くないわ ― これが四段。口もとにアルケイックスマイルをたたえながら弥勒の心で読む。内容は家で読むのと変わらないくらい入る。


「アルケイックスマイル」とか言っちゃってるところからお気づきのように、四段でもまだ「外から見た洋書を読む自分」への意識がぬぐい切れていない。五段以上、そして名人を目指すには、東スポを読むのと同じ読みザマでTIMEを読めるようになる必要がある。いや、東スポは別の意味で人目を意識しそうだな。。