プロ翻訳者の資格取得状況レポート 翻訳の資格

翻訳資格 ランキング

リスト プロ翻訳者が営業広告で開示している資格の取得率ランキング
(データソース:翻訳者ディレクトリ 調査方法:プログラムによる自動集計方式)

調査対象4992人 調査日時2024年04月25日04時05分
1位TOEIC 1269人25.4%一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
2位英検1級・準1級(実用英語検定) 888人17.7%公益財団法人日本英語検定協会※2級以下は含まず
3位修士号 633人12.6%学位
4位日本語能力試験JLPT397人7.9%国際交流基金、日本国際教育支援協会
5位博士号 292人5.8%学位
6位 TOEFL 247人4.9%ETS, a private nonprofit organization
7位通訳ガイド171人3.4%国家資格免許
8位技術英検(工業英検) 77人1.5%技術英語能力検定 一般社団法人日本能率協会
9位国連英検 76人1.5%公益財団法人日本国際連合協会
10位ほんやく検定74人1.4%社団法人日本翻訳連盟
11位教員免許 72人1.4%国家資格
12位仏検 実用フランス語技能検定試験 67人1.3%公益財団法人フランス語教育振興協会
13位IELTS(アイエルツ)52人1%一般財団法人 日本スタディ・アブロード・ファンデーション (JSAF)
14位HSK漢語水平考試(中国語検定)50人1%汉语水平考试 中国政府教育部
15位DELF/DALFフランス語資格試験 46人0.9%フランス国民教育省 日本フランス語試験管理センター
16位NAATI 38人0.7%オーストラリア National Accreditation Authority for Translators and Interpreters
17位DELEスペイン語検定 35人0.7%スペイン教育・職業訓練省
18位医師 獣医師 35人0.7%国家資格免許
19位薬剤師35人0.7%国家資格免許
20位TOPIK韓国語能力試験 31人0.6%大韓民国教育省・国立国際教育院 財団法人韓国教育財団
21位通訳検定 30人0.6%※日本通訳協会は2008年11月閉鎖
22位中検 中国語検定試験 28人0.5%社団法人日本中国語検定協会
23位実用イタリア語検定 23人0.4%特定非営利活動法人イタリア語検定協会
24位独検 ドイツ語技能検定試験 20人0.4%公益財団法人ドイツ語学文学振興会
25位CILSイタリア語検定試験 15人0.3%シエナ外国人大学 外国語としてのイタリア語検定試験
26位西検 スペイン語技能検定 13人0.2%財団法人日本スペイン協会
27位翻訳技能審査12人0.2%社団法人日本翻訳協会
28位ゲーテ・インスティトゥート ドイツ語検定試験 11人0.2%ドイツ連邦共和国ゲーテ・インスティトゥート
29位NT2 オランダ語国家試験 10人0.2%オランダ政府 国家資格
30位看護師 9人0.1%国家資格免許
31位知的財産翻訳検定 8人0.1%特定非営利法人日本知的財産翻訳検定協会
32位ビジネス翻訳能力検定試験 1人0%社団法人日本翻訳協会
33位ビジネス通訳検定試験(TOBIS) 1人0%特定非営利活動法人 通訳技能向上センター



資格は必要?不要?

プロの間では、資格や学歴は全くあてにならないという評価があります。翻訳に要求される能力は多岐にわたり、総合力が試されるため、一つの技能検定試験だけで翻訳力をはかるのは非現実的だという考え方です。実際、日本人の英語翻訳者に関しては、英語の検定試験資格は、参考程度にしか評価されないことが多いようです。
一方で、語学の最上級資格を取得していることは、プロとして仕事を受ける上で最低条件だという考え方もあります。実際に、翻訳者や通訳者を採用する際に、こういった上級資格の取得を条件にすることがよくあります。選考の最初の段階に「資格」というフィルターをかけて候補者を絞ってしまい、選考を容易にするための手段です。

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資格の種類について

資格には、国家資格(免許)、公的資格、民間資格などの種類があります。

国家資格とは、法律に基づき、国または国から委託された機関により認定される資格のことです。医師、弁護士、公認会計士などが該当し、その資格がなければ業務を行うことができないため、免許という場合もあります。翻訳や通訳には、免許の必要はありません。法的な規制がなく、実務能力があればだれでも仕事を請け負うことができます。唯一の例外が通訳案内士、通称、通訳ガイドです。海外では、翻訳・通訳の国家資格制度を導入している国もあります。豪州のNAATIなど。

公的資格とは、公益法人や特定非営利法人などで実施され、関係省庁の認定を受けている資格制度です。社会的に広く認知されているため、履歴書に堂々と記載することができます。実用英語検定や技術英検など。

民間資格とは、民間の団体や会社組織などが任意に実施している検定制度で、公的機関の裏付けのない資格です。昔風に言えば、「○○流免許皆伝」などがそれに該当します。実施団体がその業種で広く認知され、信頼されている場合は立派な資格に位置付けられますが、中には、「資格商法」と呼ばれる営利目的の怪しげなものもあるため、注意が必要です。そういった自称資格は、営利企業などで収益をあげることが第一の目的になっていて、社会的に認められていないため、ほとんど価値がありません。

外国人の日本語能力の基準

日本で外国人が職を得る場合、たいていは日本語能力試験のN2以上合格が必須条件になっています。同様に、翻訳を依頼する場合も、日本語能力試験に合格していることが前提条件とされる場合がよくあります。

欧州の統一語学能力基準

ヨーロッパには、各言語間で能力の比較ができるように言語能力を6段階で評価する CEFR(セファール)という取り決めがあります。このヨーロッパ共通基準CEFRでは、各検定試験のレベルの目安が、A1〜A2は初級レベル、B1〜B2は中級レベル、C1〜C2が上級レベルとなります。1より2の方が上級。

翻訳と学歴

翻訳の仕事をしている人には、有名大学出身者が多く、大学院以上の高等教育を受けて修士の学位のある人も少なくありません。博士の学位を持つ人も珍しくなく、これは、明治以降の日本で西欧文明の導入時に必要だった翻訳の担い手が大学の研究者であったという歴史的経緯を反映しているのかもしれません。
一方で、短大卒や大学学部中退といった、学歴としては十分とはいえないものの、第一線の翻訳者として活躍している人もいます。つまり、結局のところ、学歴はあまり関係ないという見方もできます。ただし、こういった学歴不足の人の場合、本人が人一倍の努力をして研鑽を積み重ね、翻訳実務能力を磨いてきたという事実があることを見逃してはいけません。

国際基準で翻訳業に必要とされる学歴

国際的な翻訳関係団体の指針では、翻訳実務に携わるには、翻訳学に学識のある修士以上の学位のある人が望ましいとされています。日本国内で考えた場合、昔に比べれば、社会人を経験してから大学院で学びなおすことが一般的になり、理系・文系の区別なく、修士の学位を取得する人が増加していて、修士が身近になりつつあります。
ただし、業界全体として、フリーランス翻訳者に十分な報酬を提供できない現実があるのに、報酬に見合わない高学歴を求めるのはどうかという異論もあります。また、翻訳学よりも、理工学やライフサイエンスなどの専門性の高い学位を持っていた方が実務で役立つという見方もあります。

ライフサイエンス分野

医薬翻訳、生命科学分野などとも呼ばれるメディカル翻訳に特徴的傾向として、高学歴者、国家資格取得者が多く見られます。修士・博士、薬剤師・医師・看護師など。

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